SWEET FLUTES

SWEET FLUTESメンバー写真

SWEET FLUTESは、本村睦幸の呼びかけで集まったリコーダーコンソートで、現在のメンバーは、本村と太田光子、村田佳生の3人である。

2008年7月13日に開催されたSWEET FLUTES結成コンサートにあたっての、本村睦幸による案内文は次の通り。

SWEET FLUTES結成にあたって

リコーダーはイタリア語でflauto dolce、つまり「甘い笛」である。英語に直訳すればsweet fluteとなる。リコーダーのみのアンサンブル(リコーダーコンソート)をやりたいとずっと思ってきたのだけれど、そのコンソートは、リコーダーならではの魅惑的な響きを音楽の核としたかった。だからやはり、目指すところはSWEET FLUTESなのである。

1960年代からのリコーダー隆盛期には、リコーダーのための現代作品もどんどん書かれるようになって、甘いだけにとどまらないリコーダーということが強調されてきた。リコーダーの現代音楽の先駆者のひとりミヒャエル・フェッターには「笛の甘い音苦い音」という著書があって、苦い音だってどんどん使おうというメッセージが込められていたと思う。フランス・ブリュッヘンたちのリコーダートリオ「サワークリーム」だって、あえてスウィートといわずサワーということで、甘い笛というイメージからの脱却を図っていたのかもしれない。リコーダーの音は甘いだけじゃない。苦いも酸っぱいもある。そのようにリコーダーの可能性を広げていこうというメッセージがあった。実際、そういうメッセージのもとでリコーダーの表現技術は格段に進歩した。そして、今はもう次の時代に入っていると思う。リコーダーの音色や表現力が、甘いと言う一言で片付けられるほど単純ではないことは、今や常識になった。リコーダー以外の古楽器もどんどん復興した。21世紀のそういう状況に至って、もう一度リコーダーってすばらしいというメッセージを発するには「甘い」という原点に戻ることが不可欠だと思うのだ。

さて、太田光子さんと村田佳生さんが大体月1回のペースで僕の家に集まってコンソートをやるようになって、じつはもう2年以上になる。満を持しての結成コンサートである。リコーダーならではの響きを熟成させるにはそのぐらいの時間が必要だったといってもよい。このコンソートについては、これからもじっくりとやっていくつもりでいる。次回のコンサートでは、ひょっとしたらカルテットやクインテットになっているかもしれない。長い目で見守っていただければ幸甚である。


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